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木こり屋まさやん

木こり屋まさやん

  • (H21,11月かなり修正と追加しました。青色線は今の現状と感想を追加しました。)

仕入先の炭屋さんとは色んな話をします。
業界の裏話、仕事の話、でもやっぱり世間話が多いですね。
裏話なんかは他のコラムでも少々書きましたが、初めの頃はムカツク内容が多かったんですが、今では「どうでも良いじゃん。」って感じですかね。
(売り上げが少なくなったにも関わらず今でもお世話になってます)

僕は生まれも育ちも伊勢志摩で、生まれた町は周りをぐるり海に囲まれてたガラの悪い漁師町です。(笑)
だから、遊びと言えばガキの頃から海に関わる事ばかりでした。
友達に漁師も多く、当然周りも漁業に従事する人が多い訳です。
(まさか自分が漁師になるなんて・・おっと!)
親父も以前は漁師をやってて、僕も観光船の船長をやってましたから、ホント海ばっかりです。
伊勢志摩にも山師や百姓はいますが、僕の在所は田んぼや大き。
な山はなく、少しの畑がある程度です。
なにせガラの悪い漁師町ですから。(笑)
(未だに住んでいます・・)

ですから、炭屋さんから聞く山の話はオモロイ!
知らない事が多いですから、やっぱオモロイ!
百姓の話なんかよりも、山師(山で仕事をする人の事ですよ、勘違いなきよう)の話です。
(猪撃ちや、色んな仕事があって・・)

’00年の秋冬、中川屋は販売以外の仕事をしていました。
それは原木伐採業、つまり木こりです。
突然リストラされ、とりあえず売る物はあるが、売り方が分からない。
蓄えもないから、金がない。(笑)
炭屋さんとは以前より付き合いがあり、相談すると「原木切ってみないか。」との事。
職人さんはもう一つ新しい窯を作って、生産量を増やすらしい。
僕は金が無い、利害関係が成立すれば話は早いもんです。
(この頃は何事も行動が早かったですな・・)

チェーンソーを貰って(笑)、刃の研ぎ方を習って、いざ木こり屋まさやんに変身です。
(気構えだけは楽しかったのですが・・)

知り合いと2人で朝は8:00からスタートし、夕方の目の見えなくなる時間まで。
ほとんど休憩無し、チェ-ンソーを研ぐ時に煙草を吸う位です。
昼飯は食い立ち、また木こり。(笑)
相棒がこれまた良く働く、僕は誘った手前サボれない。(笑)
そして、また切る。(笑)
家に帰って飯を食べる時、箸を持つ手は震えゆっくり噛むためご飯が美味い。(笑)
風呂に入れば、力が抜けて溺れそうになる。
横になれば、沈むように眠ってしまう。
そして朝が来る。
毎日これの繰り返しです。(なんて健康的なんや。)
慣れるまで1週間くらい掛かりました。
力仕事も色々しましたが、伐採業は3本の指に入るくらいキツイ仕事です。
木を切る事は大してキツく無いんですが、切った木を山から出して車に積む運び出しの作業、これがキツいのです。
(近くまで車の行けない山は、ワイヤーを渡してロープウェイみたいにするんですよ。)
木が上質で切りやすい山は、運び出しの得手が悪い。
運び出しの良い山は、木が悪い。
(経験すると良く分かるんですね、世の中そんなに甘くないって事の様です・・笑)

原木のウバメガシ、志摩地域じゃイマメって言います。
この木はとにかく堅く、1日中切ってたら、3,4回は刃を研がないと、道具は使い物になりません。
刃を研ぐ事がこれが難しく、上手に研いた刃は、カミソリの様にあの堅い木を切っていく。
土を噛んだり、石ころをはねても切れなくなります。
切れない道具を使ってると、余計な力が掛かり疲れます。
事故にもつながり、命に関わる事なのです。
(大袈裟じゃなく太股の内側の太い血管を切って亡くなるんです。)
大変な仕事ですよ、伐採業は。
(この仕事は本当にしんどかった、冬場に汗ビッショリになります。もうあまりしたくない仕事の1つですね。しかし、その後またまた木こりをするハメに・・・)

炭屋さんの所にも、体験入門者がたまに来るらしいんです。
皆が窯の前で木を刻んだり、運ぶのを手伝うみたいで最後に「キツイ仕事ですね。」と言って帰るらしいんです。(笑)
何故笑うか?
窯の仕事や炭焼き自体は、そんなに大変な作業じゃ無いんですね。職人は基本的に自分で木を切って、自分で焼く。
この作業は気分転換にもなって、慣れたら楽しいそうです。

しかし、生産量を増やしたり楽をしようと原木屋を入れると、たちまち窯の奴隷となるわけです。(笑)
でも伐採業はただひたすら木を切るだけです。
僕らみたいなのは大した事無いですが、本物の伐採業者の方は感心と言うより、尊敬の念すら覚えますね。
だから、職人を辞めるのは木こりが出来ないか、嫌だから辞めるのがほとんどだそうです。
(解る気がした・・)

大変な仕事なのに、なんで木こりなのか?なんですが、お金ですよ。
きれい事じゃ無いんですね、なんやかんや言ってもお金が無いと何も出来ない。
皆さんに売る炭も買えないじゃないですか(笑)悲しいですが現実です。
それで今は、やってないのか?なんですが。
重要と供給の問題です。
窯から要らないと言われれば、伐採家業は終わりです。
真剣に人を雇って、伐採業をしようかとも考えましたが、原木が安い。
朝からバリバリ切って、1人分の日当だけしか木を切れない。
これじゃ人を雇うのも無理ですし、キツイ割りに実が少ない。
(本当に炭屋が設定する金額って良く出来ていて、どれだけ効率よく切っても一山終わって精算になると1人分の日当が出るだけなんです。儲け過ぎやろ、炭屋!って思っていたんですが本当は誰が一番得しているんだろう・・)

「炭焼きになりたいんですが・・・」って、たまに窯の方に問い合わせがあるみたいです。
悪い事言いません、半端な覚悟なら止めときなはれ。(笑)
田舎で暮らして、自立した仕事で・・って良く聞きます。
悪い事では無いと思いますが炭焼きは多分無理です。
それでもやるというなら、中川屋は微力ながら応援しますよ。(笑)
(今となって無理なんですが・・笑)

こんな話が職人さんと出来るのも、僕が伐採業をしたからです。
内輪の色んな事を教えてもらえるのもそうだと思います。
「なんや知らんけど、色んな奴が来るでー。中でも最初見て一番怪しいって思ったんは、中川君やなー。」
ひ・ひ・ひどいやん。ってね。
でも今じゃ、「やってる事は、中川君が一番真面目で、まともやよなー。」
(もっと言って!(笑)

職人さんから聞いた話では、ずぶの素人で仕事を勤まらなかったような人達が、色々色んな所で適当な事を知ったように言ってるらしい。
(なんか、特定人物を指しているみたいですな・・笑)
「いつでも伐採業に戻れるよう、ジェイソンのようにチェ-ンソーの刃は研いでおきます。(笑)そんな奴らは退治しましょう。」
「中川君は、いつも極端すぎやで。めちゃくちゃやな。でも、行っとくかーっ。」
と、顔は笑いながら怒っている炭焼き職人でした。(笑)
(戻りません・・)

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